傷寒論の勉強方法

【質問】

 分かりやすい御講義ありがとうございました。先生の講義のおかげで漢方が少し理解できたように思います。自分自身で漢方を試したりしていますが、当然ですが、初心者なのでうまくいきません。そこで、基本から勉強すべく傷寒論を読み始めました。それにつれて、太陽膀胱経などの経絡の勉強も必要になりました。経絡に関しての勉強方法が分からないのですが、漢方を理解する上での経絡の勉強方法やお勧めの経絡の本などありましたらご教授下さい。

【回答】

 漢方医学の基本である『傷寒論』を初めのうちに読んでおくことは、漢方の実力を身につけるうえでとても大事なことです。

 私も漢方を学び始めてすぐに、大塚敬節先生の『傷寒論解説』を読みました。しかし、正直なところ、あまり理解できませんでした。今から振り返ると、理解できなくても、最後まで一通り読破することが大切であったと思います。最初の1冊としては好著です。

 

 拙著『好きになる漢方医学』の第3部(第6章・第7章)に六病位アプローチについて解説してありますので、その部分を読んでから『傷寒論』に挑戦すると理解が早いと思います。それから、第4章に出てくる3種類の生体システムは経絡と次のような関係があります。

 生体防御システム(肺・腎)→太陽膀胱経・少陰腎経

 精神運動システム(心・肝)→少陽胆経・厥陰肝経

 栄養補給システム(胃・脾)→陽明胃経・太陰脾経

 そのつもりで、読んでみてください。

 

 『傷寒論』の条文を経絡理論も含めて勉強するには、劉渡舟先生の『中国傷寒論解説』がお勧めです。私もこの本を読んで初めて、傷寒論を理論的に理解することができました。

 最近出版された高山宏世先生の『傷寒論を読もう』も、お勧めの一冊です。ページ数は多いですが、内容が論理的なので、論理的思考をする人には読みやすいと思います。

 

 本格的に経絡理論を勉強する意気込みがあれば、経絡理論のバイブルである『黄帝内経(素問・霊枢)』の訳本や解説書が参考になります。小曽戸丈夫先生の新釈『素問』『霊枢』からスタートするといいでしょう。解説書としては、原田康治先生の『臨床応用 素問・霊枢』が役に立ちます。個人的には、伴尚志先生の現代語訳『難経鉄鑑』が一押しです。

 

 漢方専門書籍の購入は、各種ネットショップで対応可能なものがほとんどですが、取り扱いのない書籍もあります。

 その場合は、出版社か漢方専門書店に発注する必要があります。ちなみに、私が懇意にしている漢方専門書店は新樹社書林です。

Dr喜多の新著

『好きになる漢方医学』

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